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仕事や旅行で新幹線を利用される方もたくさんいらっしゃるでしょう。ちょうど半世紀前の1976年5月25日、東京・名古屋・大阪の3大都市圏を結ぶ東海道新幹線の利用者総数が10億人を突破しました。東海道新幹線が1964年(昭和39年)10月1日に開業してから既に60年以上が経過しています。還暦を超えている新幹線ですが、その歩んできた月日は、近代日本の発展の歴史だといっても過言ではないでしょう。もし新幹線が存在していなければ、人々は今ほど自由に移動できず、世の中はまったく異なる姿になっていたかもしれません。
1959年4月20日に起工式が執りおこなわれた東海道新幹線は、開業時期が1964年10月に設定されました。同年10月10日の東京オリンピック開会式までに何としても間に合わせようとしたためです。そして、工事着工から5年5カ月あまりで開業を果たしました。これがいかに常識外れかは、一昨年3月16日に開業した北陸新幹線の金沢駅~敦賀駅と比較するとよくわかります。同区間は開業までに11年7カ月を要しているのに対し、東海道新幹線は半分以下の期間で開業しました。しかも東海道新幹線の線路の長さは515.4キロメートルで、金沢駅~敦賀駅(125.1キロメートル)の4倍以上となっています。
さて、新幹線を含む鉄道は、もともと運輸部門において輸送量当たりの二酸化炭素排出量が相対的に小さく、環境にやさしい輸送機関ですが、JR東日本は、新たな挑戦として、2050年度の鉄道事業における二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指し、2020年5月、環境長期目標となるゼロカーボン・チャレンジ2050を策定しました。更に同年10月には、この目標を鉄道事業だけではなく、グループ全体の目標とし、脱炭素社会への貢献とともに、環境優位性の更なる向上とサステナブルな社会の実現を目指しています。エネルギーをつくる、送る・ためる、使うまでのネットワークにおける様々なフェーズで、外部の企業・大学・研究機関などと連携しながら、目標達成に向け、新たな技術の導入に向けたイノベーションに取り組んでいるところです。地域社会の持続的な発展とSDGsの達成を目指し、多くのエネルギーを使用する鉄道事業者の社会的使命として、地球温暖化防止に率先して取り組み、グループ一体となって、ゼロカーボン・チャレンジ2050を実現していこうとしています。
JR東日本のゼロカーボン・チャレンジ2050が策定された同年の10月、当時の菅義偉内閣総理大臣は、2050年カーボンニュートラルを宣言しました。日本が国家として、気候危機への本格的対応に踏み出しています。しかしこの5年半の間で、気候非常事態が緩和に向かったかといえば、残念ながら、現状はむしろ一層深刻化しているといわざるを得ません。その背景として、地球温暖化の加速、各国の気候政策のパリ協定目標達成に対する不十分さ、更には米国トランプ政権の反科学的な気候政策の影響をあげることができます。3年間(2023~2025年)の世界平均気温の上昇はパリ協定の努力目標である1.5℃を超えてしまいました。この事実は極めて重大な警鐘であるといえるでしょう。弊社でも現実を認識しつつ、カーボンニュートラルについて、今後も対応可能な取り組みを継続して参ります。