2022.05.16社員ブログ

エシカル・・・・

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

間もなく二十四節気の小満。暦便覧(江戸時代の暦の解説書)には、万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る、と記されています。あらゆる生命が満ち満ちていく時期。太陽の光を浴び、万物がすくすく成長していく季節です。二十四節気が生み出された古代中国では、麦の穂が成長し、実が少しだけ満ちてくることから、この時期を表す言葉として小満とされたとか。稲作が盛んな日本においては、昔は小満の頃から田植えの準備がはじめられていました。

あまり知られてはおりませんが、律令国家を運営していくうえでの安定的な税収確保のため、稲作を促進する観点から、ちょうど1347年前(675年5月19日)、天智天皇は、牛や馬といった稲作に役に立つ動物の保護を目的とした詔を発しています。これは日本で初めての肉食・狩猟を禁じる詔となりました。

狩猟・漁獲の方法を制限し、牛や馬の肉食を禁止していますが、これらの動物の肉食は稲作期間に相当する時期に限って禁じられていただけであり、農閑期では禁止されていません。都で牛馬の肉が食べられていたことは、骨に残った痕跡からも確認されています。また、当時の狩猟の主な対象であり、稲作の害獣とみなされていた鹿については、狩猟方法に規制をかけただけであり、肉食は禁じられていません。

とはいえ、律令国家体制の下で、貨幣になり得るものとして米の神聖さは一層強調され、稲作の促進のための動物保護や肉食の制限・禁止を目的とする類似した内容の法令は後の時代にも繰り返し発せられました。その結果、日本では次第に、肉食を稲作に害をもたらす行為とみなし、表向きは遠ざけるようになっていったようです。

近年、動物の福祉・権利を守るため、産業で活用される動物を命ある存在として捉え、健康で快適に生きられるようにすることが求められています。例えば、ホテルを運営する米国のヒルトンが2025年度までにケージで飼われた鶏の卵を使わなくすることを表明するなど、世界の企業は動物の福祉を意識した調達方針の変更に動き出しました。企業によっては、配慮しなければビジネスが継続できない事態になるかもしれません。

こうした流れもあって、英国ではヴィーガン・フード(植物由来の食品)がブームになっています。ロンドンには数多くのヴィーガン・レストランがありますが、この要因には、食品の入手のしやすさもあげられるでしょう。発端は英国最大のスーパーマーケットのテスコでした。テスコでは、2017年に冷蔵のヴィーガン食品の売上が25%増加しています。需要の増大に応えるべく、著名なヴィーガン・シェフを雇い、2018年1月にヴィーガン専門のプライベートブランドを立ち上げました。植物由来の調理済み食品やピザ、サンドイッチ、デザートなど20種類の商品を店頭に並べたところ、消費者の人気を博し、2018年末までにその種類を2倍以上に増やしています。現在でも、数多くの商品を販売中です。

前述した動物の福祉・権利なども含め、エシカル(倫理的な)をキーワードに、消費のあり方も変化してきました。企業は環境や社会に関することなど、様々な要素を念頭におき、対応していかなければなりません。弊社でも遅れをとらぬよう、努めて参ります。

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