2022.04.04社員ブログ

清明・・・・

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

新年度を迎え、明日5日は二十四節気の清明。江戸時代の暦の解説書である暦便覧には、「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」と記されています。万物が清々しく明るく美しい季節となりました。こちらは、清明と題された、晩唐(中国)の詩人である杜牧(とぼく)の有名な漢詩です。

清明時節雨粉粉(清明の時節というのに嫌な雨が降っている)

路上行人欲斷魂(道行く旅人である私は気が滅入ってしまいそうだ)

借問酒家何處在(一杯やって気分を変えようと酒屋はどちらにあるか尋ねれば)

牧童遙指杏花村(牧童は遙か向こうの杏花咲く村を指差した)

清明の頃の江南(揚子江以南)の風景を詠んでいます。身をその地に置いたような感覚を抱かせ、限りない味わいを与えているといえるでしょう。

さて、この当時は地球温暖化を心配する必要はなかったものと思われますが、いまや脱炭素は世界共通の課題となっており、例えば、再生可能エネルギーの取り組みにおいて、日本は世界各国と比べ、遅れているともいわれています。各国のエネルギー総消費量に対する再生可能エネルギーによる発電量(2019年)は、ウルグアイが134%で最も高く、コスタリカ、ノルウェー、アイルランドも100%を超えました。自国で消費する以上の電力を再生可能エネルギーで発電していることになります。それに対し、日本は19.2%にすぎません。

再生可能エネルギーの発電量の内訳をみると、100%を上回る国は水力発電の割合が高い傾向があり、なかでもノルウェーは水力発電の割合が99.5%です。ウルグアイやデンマークは風力発電に、アイスランドやコスタリカは地熱発電に力を入れています。日本では再生可能エネルギーというと、太陽光発電のイメージが強いのですが、世界では各国の特徴を活かしながら、取り組んでいるようです。当然ながら、人口や経済規模などが違うため、各国の電力消費量(2020年)には大きな違いがあります。米国の4055.51TWh(テラ・ワット・アワー)に対し、ウルグアイは11.76TWhです。

また、30年前の1990年と比べてみると、英国はマイナス0.88%、ドイツはプラス1.56%と、30年前のレベルに近い数字となっています。英国もドイツも2000年過ぎくらいまでは電力消費量は増えていたものの、近年は大きく減少しました。電力消費量が大きい先進国では、再生可能エネルギーの導入をすすめるとともに、全体として使う電力を減らしていくことが、再生可能エネルギーの割合を高める鍵となりそうです。日本も電力消費量は減りつつありますが、30年前と比較すると、まだプラス18.92%となっています。一方で、ウルグアイとコスタリカの電力消費量は30年前と比べてプラス200%程度、アイスランドではプラス360%と、大きく増えました。人口と経済規模の拡大などがその背景にありますが、自国の再生可能エネルギーで賄える範囲での伸びに抑えることができるのでしょうか。

再生可能エネルギーについては、弊社でも所有建物に太陽光パネルを設置するなど、関心の高いところですが、現在、i-Bondの法的根拠となっている不動産特定共同事業法においては、太陽光発電設備単体では対象物とはなりません。ただ、対象物にできるよう、議論もなされはじめているところであり、もしそうなれば、皆様に、より環境に配慮された新しいi-Bondを提供できるでしょう。

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