2021.02.01社員ブログ

レーダースクリーン

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

早いもので、2021年がはじまってから1ヶ月経ちました。今年は人類が新型コロナウイルスの災厄を乗り越え、グローバル経済をつくり直す年になります。目指すのは分断なき国家、強靱な市民社会、持続的に価値を生みだせる企業といったものでしょう。新しい経済の枠組みを構想して実現するうえで、投資のもつ意味はより一層重くなります。必要な資本を必要な人や企業に届けるという市場機能を見直し、それを補強し、使いこなしていかなければなりません。

昨年の資本市場で資金をひきつける役割を果たしたもののひとつがESG(環境・社会・企業統治)でした。その奔流は今年以降も続くでしょう。米国のブラックロック社が世界27ヶ国・地域、425の機関投資家を対象として調査したところ、ESG要素を重視した投資への資産配分比率は昨年の平均18%から2025年には37%にまで高まるという結果になりました。調査対象となった投資家の運用資産総額は25兆ドルですから、単純に計算すると、今後5年間で4兆7500億ドルがESG投資に新たに回ることになります。近未来の市場を視野に入れれば、温暖化ガスを実質的に排出しないネットゼロの目標を、政府や大企業が競って掲げてきた事情も飲み込めます。極論になりますが、できるかどうかはもはや焦点ではなく、できなければグローバル投資のレーダースクリーンから消去されるだけです。政府も企業も切迫感を抱えています。

プラスチックごみやコンクリートなどが地層や海洋に堆積し、それらの人造物が生成される過程では大量の二酸化炭素が空中に放出されてきました。堆積と放出の速度は20世紀半ばから加速し、地球に負荷をかけ、生態系を不安定にし続けています。あと10年以内に手を打たなければ地球環境は人類の生存に適さないものへと不可逆的に変質してしまう、そう言い切る有識者もいるほどです。

投資の世界でもESG、特に環境問題への注目が一段と強まるのは確実でしょう。ESG投資の老舗、オランダのトリオドス・インベストメント・マネジメント社は、投資哲学を説明する自社サイトに「人新世の時代」と題する宣言を掲載し、投資先に環境への一段と強い配慮を求めました。人新世(の痛み)は和らげることができる、という同社の主張は欧州各地に広がりつつあります。ちなみに人新世とは、ノーベル化学賞受賞者パウル・クルッツェン氏(ドイツ人)によって考案された、人類の時代、という意味の新しい時代区分です。人類が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった時代であり、約1万7000年前から現在までの完新世に続く次の地質時代を表しています。

地球環境の問題がグローバルマネーの流れを決め、加速させる時代になりました。ここ数年のESG投資の隆盛は助走にすぎません。環境や脱炭素は資本市場におけるテーマのひとつという緩い概念ではなく、必然となりつつあります。資金の必要な国家や企業が正しい環境対策を施し、そこにグローバルマネーが流れ込み、結果的に地球保護につながるという仕組みの構築が急務です。

弊社は1986年11月27日の会社設立から既に35年目に入り、また、2018年9月13日の株式上場から2年以上が経過しています。ステークホルダーの皆様のレーダースクリーンから消去されることがないよう、ESGに対しても上場企業として相応しい適切な対応を心がけ、事業の継続を図って参ります。

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