12月もいよいよ後半に入り、「今年も押し詰まりまして……」という時候の挨拶が交わされる時季となりました。9月決算の当社はそんな年の瀬も押し迫る中で、株主総会が毎年開催されています。今年は、それが今週末に予定されているのです。
総会が終了するまではその準備もあり、何となく落ち着かない中、当社にとっては今年最後となるＩＲに一昨日、名古屋証券取引所主催の「株式投資ウインターセミナー２０２５」」に、参加してまいりました。
昼過ぎの出番であったため、ゆっくりと東京駅を出発しても、1時間半で到着します。以前に比較すれば本当に早くなりました。
それがリニア中央新幹線であれば（品川～名古屋）40分で結ばれる予定とか、ただ開業は2027年以降を目指すも、静岡県内の工事遅延で遅れそうですね。

さて、名古屋駅に到着して、太閤口からタクシーに乗り「栄のナディアパーク」を運転手さんに告げ「何分ぐらいで行けますか」と問えば「今、駅周辺が再開発で工事中が続いているので、混雑で時間がよめませんね」と応じます。
確かに駅から栄に向けて走り出してまもなく止まり、また少し走行してまた止まるを繰り返し、距離的には近いようでしたが、かなりの時間を要しました。でも主催者との約束の時間までには、まだまだ余裕があり会場に入れば、まだ設営中です。それでも「遅れるよりは余程まし」と思いました。

ところで、リニア新幹線に向け、名古屋駅周辺の名鉄が進める再開発も、当初は2033年以降にオフィスや大部分の商業施設が開業され、40年代前半の全面オープンを目指していたそうです。そして、総事業費8,880億円を計画していたものの、その計画すらが「未定」となることを名鉄側が発表したと当日の新聞にありました。
理由は建設資材の高騰や人手不足が深刻となり、工事の応募参加者から入札辞退が相次いだことから、現計画全てを「未定」にしたようです。
東京でも中野サンプラザでも、閉館から2年、再開発が宙に浮いています。名鉄と同じ理由で、今でも建て替え計画が遅れに遅れて白紙にされたままのようです。
どうも各地で同様の「再開発」は次々と中止になっているのではないでしょうか。

さて、IR会場は時間通りに始まり、当社の出番となります。登壇してみて、会場を見渡すと、多数の投資家の皆さんがお集まりです。後で聞けば約300名超と言うことで、私の経験したIRとしては、一番の大人数であったように思います。当社の用意した説明資料が不足するほどでした。
30～40分の説明の後、司会者の進行で、質疑応答となりましたが、挙手する人も積極的で多数の手があがりました。当社が不動産業ということもあってか、一番目の質問が当日の新聞を読んでいらしたのでしょうか、「金利上昇とインフレ、建築資材の高騰、人手不足、それに人口減少の対処法」を教えてくださいと盛りだくさんのものでした。
その他次々に質問が出ます。質問には誠実に丁寧にお答えしましたが、会場の皆さまの熱心さには圧倒されました。

本日も、小生のブログにアクセス頂きまして、有難うございます。

金利上昇の質問をされた方が、朝刊を読んでから、質問されたと思ったのは、その日の朝刊には「日銀0.75％に利上げへ」との大見出しで、記事が掲載されていたからです。
日銀は18～19日に開く金融政策決定会合で、政策金利を現在の0.5％から0.25％引き上げ0.75％にする案で最終調整に入ったと報じていたからです。

これでバブル崩壊後の1995年以来30年ぶりの金利水準に達することになります。プラザ合意以降の1985年から1990年の間は、市中に出回るお金がジャブジャブで、日本経済は後にバブルと呼ばれる、好景気を謳歌していました。国内不動産は勿論のこと、海外不動産にも円高を背景に投資をしていたのです。
ところが一転、バブルは崩壊します。後に当時の澄田日銀総裁は、「CPIのみに目が向き金融の引き締めが遅れてしまった」と、反省の弁を聞いたことをよく覚えています。

今回の金利上昇は、現在の円安がコストプッシュ型インフレを招いていると、日銀が判断してのもののようです。その円安は赤字国債を裏付とした、お金の市場への過剰供給であり、金利を上昇させ、市場への資金供給も併せて、回収したいと日銀は考えているようです。高市首相の責任ある積極財政とはベクトルが決して同方向を向いているとは小生には思えません。

ただ積極財政を推進する高市首相にも、来年大きな壁が立ち塞がります。それは5年に一度やってくる、赤字国債の発行を認める特例公債法案を、提出する年にあたるからです。
法案が通らなければ、赤字国債は発行できません。現在の日本は国家予算のうち毎年のように30兆円超の不足する財源を国債で賄っています。
もしこの特例法案が通らなければ、少し前の米国のように公務員給料さえ支払うことのできないような、政府のお財布が空っぽになるかもしれません。米国だからあの程度で済みますが、日本で同じ事が起きたら、市場は大いに混乱するだろうと危惧しています。
少数与党の高市首相は、遅れを取らないように、早目に準備をすすめるべきと思います。

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本日のボンドランチ
お昼が遅れて中途半端な時間で
栄界隈では、魚定食のお店しか開いていませんでした。