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3月も明日で終わりです。多くの企業や自治体では年度末を迎えていますが、日本で長く続く特有の現象として、予算消化をあげることができます。予算を余らせてしまうと、そもそも不要だった、あるいは、管理能力の欠如とみなされ、次年度の予算が削減されてしまうかもしれません。また、組織のなかには、予算の多寡で発言力や評価が決まると考えているところもあるでしょう。予算は消化するものではなく、価値を生み出すための資源であることはいうまでもありません。予算を守る組織から、予算で未来を創る組織へと変貌していくことで、長期的な成長を実現していく必要があります。
さて、皆様はオーバーシュート・デー(自然予算を使い果たす日)という言葉をご存じでしょうか。オーバーシュート・デーは、国際的な団体組織であるグローバル・フットプリント・ネットワークが毎年公表している環境指標です。その年の1月1日から数えて、人類が地球の1年分の資源を使い切ってしまう日になります。地球が1年かけて再生できる資源量に対して、人類はそれよりも早いペースで資源を消費しているのが実状です。このため、オーバーシュート・デーを過ぎると、残りの日々は借金生活のような状態、つまり、未来の世代から資源を前借りしていることになります。
理想は自然予算を使い果たさないことです。オーバーシュート・デーが存在すること自体、その年には生態系に赤字が発生しており、更に、それが早いほど、自然予算の消費が速いことを意味しています。昨年は7月24日でした。オーバーシュート・デーが最初に現れたのは1971年で、その後、時期によって前倒しがゆるやかになる年もありましたが、長期傾向としては年を追うごとに早まっている、つまり、赤字が拡大していることになります。
グローバル・フットプリント・ネットワークは国別のオーバーシュート・デーも毎年公表しており、これは、もし世界中の人々がその国の平均的な生活スタイルをしたと仮定した場合、その年の自然予算を使い切ってしまう日を指します。日本は1964年まではオーバーシュート・デーはなく、赤字状態ではありませんでした。1965年には12月30日となり、1日分だけ赤字が生じています。そして一昨年は5月13日でした。日本でも自然資源を使い果たす日が年を追うごとに早まってきています。特に1965年から1970年代にかけて、日本のオーバーシュート・デーは急速に前倒しとなりました。この時期はまさに日本の高度経済成長期と重なります。国全体の経済が大きくなると同時に、自然予算を使い果たしてしまうスピードも速くなっていきました。高度経済成長期の後、オーバーシュート・デーは一時期やや横ばいになりますが、1980年代半ばから1995年頃にかけて、再び前倒しがすすみます。これはバブル景気と重なり、消費や資源利用が更に増えたことが背景にあるからでしょう。それ以降は比較的落ち着いた推移になり、バブル崩壊後の失われた30年に突入したことや、環境問題への関心が高まりはじめた社会的背景が伺い知れます。とはいえ、5月13日という現状は危険です。例えるなら、年間で使ってよい自然予算を元旦に受け取って、ゴールデンウィーク直後に使い切ってしまっているということです。その後の半年以上は借金をして生活しています。
現在、サステナブル、持続可能、SDGsといったキーワードが日常的に語られるようになりましたが、本当の意味での持続可能な世界を実現するためには、オーバーシュート・デーをなくすような仕組みや生活様式の転換が必要です。そのために弊社でも何ができるのか、事業活動を通して熟考して参ります。