2025.10.20社員ブログ

えびす様・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 今週23日は二十四節気の霜降です。露が冷気により、となって降りはじめるころ。暦便覧(江戸時代の暦の解説書)では、露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也、と説明されています。霜降の次は立冬です。秋が深まり、冷え込みも強くなっていきます。旬の食材を味わいつつ、体調管理にも留意していきたいところです。

 本日10月20日は恵比寿講になります。日本各地で開催される年中行事の祭りとして有名なので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。1603年から続くといわれている広島市の胡子大祭や、東京・日本橋の寶田(たからだ)恵比寿神社の恵比寿講「べったら市」の賑わいで、よく知られています。これらは、七福神の福の神でもある、えびす様を祀り、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全を願う庶民信仰ですが、えびす様というのは、農家では作神、漁村では漁の神、商家では商売の神とされ、一般の人々には、いわば金儲けの神という、具体的な神像をもつ神様です。誰にとっても都合がよく、身近な神様ということから、近世になって、民間で流行したといわれています。もともと、えびす様には、神無月(旧暦10月)で日本国中の神様たちが出雲へ出払ってしまう際に、その留守を守る役割があったようです。

 えびす様は、右手で釣り竿をもち、左脇に鯛を抱える姿が一般的で、古くから漁業の神様とされていますが、近年、気候変動の進行によって、海洋などにおいて広範かつ急速な変化が起こっており、自然と人類に対して広範な悪影響をもたらしています。例えば、日本近海の平均海面水温は最高値を毎年更新しています。このような急激な変化は、人々の生活や産業に大きな影響を与え、水産業においても同様です。具体的には、海水温の上昇、海流の変化などによってサンマ、スルメイカ、サケといった主要魚種の不漁が長期化し、これらの魚種に多くを依存する漁業や水産加工業の経営に大きな影響を及ぼしています。

 世界の海面水温は、数年から数十年のスケールの海洋・大気の変動や地球温暖化の影響が重なり合って変化しています。昨年までの約100年間にわたる世界全体での海面水温の上昇はプラス0.62℃です。そして、日本近海における昨年までの約100年間にわたる海面水温の上昇はプラス1.33℃となり、世界全体での上昇幅や北太平洋(プラス0.65℃)の2倍を超える割合で上昇しています。また、昨年の日本近海の海面水温は、世界と同様に、統計開始以降で最も高い値となりました。

 さて、明治時代、3代目の柳家小さんの落語に恵比寿講というお話があって、それによると、昔(江戸から明治時代前期)は今(明治時代後期)と違って、町家では、恵比寿講というと、大層な騒ぎをしていたそうです。商店などは早くから店仕舞いをして奉公人や出入りの職人が集まり、酒盛りがはじまると、各人が、かくし芸や素人演劇、小噺などを披露していたとか。日本各地のお店や個人宅では、近隣を招いて、お祭り騒ぎがいたるところでおこなわれていたのでしょう。現在、政府では、漁法や漁獲対象魚種の複合化・転換、養殖業との兼業化・転換、魚種の変更・拡大に対応し得る加工・流通などの支援をすすめ、国内の水産業の更なる発展を目指しているところです。弊社が事業として関与できる分野ではありませんが、動向を見守って参ります。弊社は本業で、えびす様のご利益が受けられるよう、日々の業務に尽力していくつもりです。

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