2023.06.05社員ブログ

ネイチャーポジティブ・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 6月5日は世界環境デーとなっており、日本ではこの日を環境基本法で、環境の日と定めています。6月は環境月間とされ、全国各地で様々なイベントがおこなわれる予定です。

 4月中旬に札幌で開催されたG7気候・エネルギー・環境大臣会合において、生物多様性の損失を食い止めて回復軌道に乗せる、ネイチャーポジティブと呼ばれる取り組みを加速させることが決まりました。ネイチャーポジティブの認知度はそれほど高くありませんが、環境分野では近年、世界的潮流のひとつになりつつあります。水資源や森林といった自然資本は、社会・経済活動の基盤との認識が背景にあるからです。

 企業が生物多様性の保全に取り組む必要があるのは、事業活動を通じて国内外の生態系に依存していること、生態系に大きな影響を与えていること、製品やサービスを通じて消費者とも繋がり、市場を変革するという重要な役割を担っているからにほかなりません。近年、短期的に得られる利益だけではなく、生物多様性への配慮を含むESG対応をベースとした持続的成長性への期待が、企業の価値評価へ大きな影響を与えるようになりつつあります。したがって、生物多様性に対して何も行動を起こさないと、経営上の大きなリスクになりかねません。

 生活や経済は生物多様性を基盤とする生態系から得られる恵みによって支えられています。過去100年ほどの人間活動の影響により、種の絶滅速度はこれまでの地球の歴史からみても異常な速度で上昇し、生物多様性は危機的な状況です。こうしたことから、2020年開催のG7の2030年自然協約では、前述のネイチャーポジティブという、自然を回復軌道に乗せるために、2030年までに生物多様性の損失を止めて反転させる目標が合意されました。また、昨年12月開催の生物多様性条約締約国会議では、昆明・モントリオール生物多様性枠組が決定され、同枠組において、企業は気候変動対策、過剰消費の削減、持続可能な生産、生物多様性への投資などの取り組みをすすめることで、ネイチャーポジティブの推進に寄与することが期待されています。民間主導の取り組みとしても、ESG投融資などへの関心の高まりを背景に、SBTs for Nature(自然のための科学に基づく目標)やTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)といったフレームワークの検討がなされているところです。

 生物多様性を保全することは、企業の事業ポートフォリオの多様化と同様に、生物資源に依存しているビジネスのリスクと不確実性を低減し、事業活動のレジリエンス(逆境や困難に押しつぶされることなく、外的環境に順応していく適応力)を高めることに直結しています。更に、これまでになかった活動領域に踏み込むことで、新たな事業創出の好機にもなり得るでしょう。

 そして、生物多様性と気候変動、循環経済は相互に関係性があります。自然資源の消費を抑制・効率化することは、気候変動対策や生物多様性の保全に貢献することになり、気温上昇を抑制することで、種の絶滅のリスクを低減することができるでしょう。また、気候変動緩和策のなかには、生物多様性に正の影響を与えるものもあれば、負の影響を与えるものもあります。脱炭素、資源循環、生物多様性の3要素を統合的に考え、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を両立させるような経営を推進することで、求められる環境対応を効率的、効果的に実施できるに違いありません。ただ、生物多様性や自然資本に配慮した経営が国際的にも、金融機関からも求められている一方で、課題としては、目標・指標の設定や定量化・経済的評価が困難であることや、本業との関連性が低い場合もあるといったことがあげられています。どの程度のことが弊社でできるかわかりませんが、可能な限りにおいて対応をすすめていければと考えているところです。

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