2020.02.10社員ブログ

年間推計2000万人以上が自宅から

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

明日は建国記念の日。国民の祝日に関する法律によれば、建国をしのび、国を愛する心を養うことを趣旨としています。もともとは1873年に日本国の建国の日として定められた祭日(紀元節)でしたが、1948年、GHQの意向によって廃止され、その後、1966年に現在の建国記念の日となりました。2月11日というのは、古事記や日本書紀で初代天皇とされる神武天皇の即位日が日本書紀に紀元前660年1月1日(旧暦)とあり、それを明治時代に新暦に換算した日付です。当日は全国各地の神社仏閣でお祭りが執りおこなわれます。大化の改新から江戸時代までは、天皇在位中に大規模災害などが起こると、改元がおこなわれたそうです。

世界18の国・地域に拠点を置き、貧困を克服しようとする人々に対して支援活動をしている国際協力団体のオックスファムは、昨年12月、『Forced from Home: Climate-fuelled displacement(家を追われる:気候により生じる避難)』と題するレポートを公表しました。こちらによると、この10年間における避難原因の第1位は、サイクロン、洪水、山火事など極端な気象現象によって引き起こされた災害となっています。極端な気象現象によって、年間推計2000万人以上が自宅から避難しました。これは地震や火山噴火の7倍、紛争よりも3倍多い数値です。避難民を出した気候関連の災害数もこの10年間で5倍に増えています。最近では、オーストラリアの山火事とヨーロッパの洪水によって何千もの人々が避難民になるなど、豊かな国の人々もこうした災害からは逃れられません。しかし貧しい国の人々は、二酸化炭素排出量は少ないにもかかわらず、最も高いリスクにさらされています。例えばキューバでは、2008年から2018年の間にハリケーンなど極端な気象現象によって突然家を追われた人は、年平均で人口の5%近くになりますが、ひとりあたりの排出量は国連加盟国中127番目です。極端な気象現象によって避難のリスクにさらされている上位10ヶ国のうち7ヶ国は小島嶼国となります。更に、エチオピアやソマリアでは、人々は気候危機だけではなく、紛争によっても避難民となるリスクを抱えているといえるでしょう。

企業にとっては、気候変動に伴う物理的影響や低炭素経済への移行に伴う変化は大きなリスクとなる一方で、気候変動の緩和と適応に重点を置いていければ、重要な機会を創出する可能性もあります。2017年6月、金融安定理事会の下に設置された気候関連財務情報開示タスクフォースは、企業が気候関連リスクと機会に関する「ガバナンス」、「戦略」、気候関連リスクの「リスクマネジメント」、「測定基準(指標)とターゲット」という4つの要素で気候関連のリスクや機会が企業に与える財務的影響を適切に開示することを促す提言を公表しました。企業が気候関連財務情報を開示することは、投資家による気候関連のリスクと機会の適切な評価の基盤を提供するほか、企業と投資家が気候関連事項に関して建設的な対話をすすめるうえでも重要です。

先進的な取り組みをおこなっている英国では、電力、水道、鉄道など公共的な事業会社に対して、事業活動における気候変動影響を分析し、計画的に対策を実施することを求めているため、積極的に適応に取り組む企業が多く、また、企業の気候変動適応を推進するためのガイドブックや参考資料も充実しています。 一方、日本では、企業の気候変動適応の取り組みははじまったばかりです。とはいえ、企業はこれまでも防災やサプライチェーンマネジメントなど、日々の事業活動のなかで気候変動適応に資する活動をおこなってきました。これらに現在あるいは将来の気候変動リスクを加味した対策を加えていくことで、事業の持続可能性を高めることができます。気候変動適応はリスク対応のみならず、適応の取り組みに資する製品やサービスを売り出すことで、新たな事業機会を創出する適応ビジネスの取り組みも広がっているところです。弊社でもその重要性を十分に認識し、上場企業に相応しい対応を心がけて参ります。

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