2019.12.02社員ブログ

例えるならば江戸時代末期から明治時代初期

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

平成最後、そして令和最初の年となった今年一年も、あと1ヶ月も経たないうちに終わろうとしています。皆様には、記憶に残る年となりましたでしょうか。

平成から令和に改元となり、マスコミはどちらかというと、平成をよい時代として捉えているように思われますが、経済だけでみると、平成はそれほど成績が優秀なわけではなく、昭和の後半と比べれば、それは明らかです。GDPでは平成の30年間の経済成長率は1.24%に過ぎず、アベノミクスの期間も同程度であり、平成の平均を上回る成績だったわけではありません。

1980年代後半は日本が最も意気揚々としていた時代です。「米国に学ぶものは何もない。日米貿易摩擦があっても、米国からは買うものがない。」とまでいわれていましたが、その米国との差は再び開いていきました。平成元年(1989年)を100とした場合、米国の実質GDPは30年間で2倍になっていますが、日本は1.4倍にとどまっています。中国に至っては、平成の初めに日本の6分の1程度であったものが、現在は2倍以上に膨らみました。人口が日本の10倍程度であるため、ひとり当たりの平均所得からいえばまだ貧しいものの、 規模では比べものにならなくなっています。

GDP以外の指標もみると、日本の失業率は、1988年が2.5%、2018年が2.4%とほぼ変わっていません。一時は5%を超えましたが、人手不足もあり、バブル期の水準にまで戻っています。物価も2011年を100として1988年が86.5、2018年が101.3となっており、年率0.5%の上昇と、驚くほど安定した状態です。円・ドルの為替レートは1988年が128.2円、2018年が110.4円と、1年で約0.6円ずつ円高になりました。最も大きく差が出たのは株価で、1988年12月末の日経平均は3万159円でしたが、バブル経済崩壊で暴落し、2018年12月末には2万15円となっています。一方、ニューヨーク・ダウは2168ドルから2万3327ドルと、10倍以上の上昇です。日本の就業者数は年0.27%ずつ増加し、1988年が6010万人、2018年が6531万人となりました。増加の要因は女性の進出や65歳以上の就業者の増加で、特に後者はリーマンショック後の2010年代に入ってから、定年の引き上げに対して補助金を出したことも影響して300万人程度増加しましたが、この増え方にも問題はありそうです。

現在の日本は経済水準においても、経済成長率においても、例えるならば江戸時代末期から明治時代初期の状態なのかもしれません。開国により市場経済化は果たしているものの、ほとんど資本蓄積がない時代の成長率と変わらないからです。生糸を輸出していても、まだ製鉄所はできていません。資本蓄積がない市場経済であり、世界の潮流からは脱落しつつあります。中国は明や清の時代、世界のトップでした。アヘン戦争を契機に、失われた100年となりましたが、中国の夢は世界のトップに返り咲くことであり、それは十分にあり得ます。欧州はアヘン戦争を契機としていったんは世界のトップに躍り出たものの、後に米国に追い抜かれました。今後の世界経済は、新技術も含めて米国と中国がリードしていくのでしょう。日本と欧州は保守的な部分が多く、米中に追いつくことはおろか、経済的な豊かさを維持することが難しくなって衰退が続けば、社会の断絶はより深くなってしまうかもしれません。台風19号で神奈川県川崎市のあるタワーマンションが被災した際、これを喜ぶかのような発言がSNSで拡散されたとか。低成長により、自分が将来、タワーマンションに住むことはできないという思いも影響しているといえそうです。貧しいと、道徳的な部分も失われてしまいます。

こうした状況下、経済的にも精神的にも少しでも豊かに過ごせるよう、もはや自助努力は欠かせません。その手段のひとつとして、マリオンのボンドをお考えいただければ幸甚です。

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