2022.01.17社長ブログ

遠視的 近視的

いつも週末は深夜0時頃から始まる世界のリゾート地紹介番組を見てから休むのです。それが番組の半ばに突然画面が切り替わり、別の画面が現れ、何の前置きもなしに、緊張した抑揚のない単調な張った声で、アナウンスが始まります。

「緊急津波情報です。今すぐ逃げて下さい」「高いところへ逃げて下さい」「命を守るためです」「今いる場所が安全だと思わないで下さい」「立ち止まったり、引き返したり、様子を見に行ったりしないで下さい」「命を守るためです」「大きな被害をもたらした東日本大震災を思い出して下さい」「津波は水が塊となって押し寄せてきます」「今すぐ迷わず逃げて下さい。命を守るためです」

たまに各地からの津波情報を交えながら、その言葉が連呼されるのです。

原因は南太平洋の島国トンガ沖で15日午後、大規模な海底噴火が生じたことによるものと発表されています。人類は最近宇宙のことはだんだんと判ってきて、民間人でも宇宙に行ける時代です。

でも、身近な地球内部のことは良くわからないようですね。況や、さらに身近なオミクロン変異ウイルスのコロナ等もまだ全てが解明されておらず、日本ではこれから感染のピークを迎えることになるのでしょうか。

どうも人類は遠視的で、遠くのものは判っても、近くのものがはっきり判らないのかもしれません。

朝から雲もなく真っ青な空が広がり、風は冷たくとも気持ちの良い日曜日です。

昼過ぎに近くの「さくら公園」に行ってみれば、普段ならこんな日は家族づれや子供達でにぎわっているはずなのに、オミクロンのせいか、人はぽつりぽつりで閑散とした感じです。

でも既に、春には満開となる桜の古木の枝先には、よく見れば堅そうなごく小さな新芽となる膨らみが、冬真最中だと云うのにもう準備を整えています。

こんな穏やかな情景も、オミクロンや地震・津波などとすぐ隣り合わせに存在していることを、津波緊急情報は気付かせてくれます。

宇宙や地球、そしてウイルスなどの世界ではとても遠視的なのに、こと経済界は逆で、やたら近視的だったりします。このコロナ禍により、世界中の中央銀行が競って金融緩和したことと、各国の財政出動です。その為、副作用が出はじめ高インフレ懸念が米国で顕著となり、引き締めに舵を切り始めました。

続くようにして、英国も中央銀行はバランスシートの縮小に舵を切ったようです。即ち目先のコロナ対応でばらまき続けてきた資金を高インフレに対処するため、オミクロン株による感染者が拡大しているにも拘わらず、重症化リスクが低いことからインフレ退治には「背に腹は替えられない」のでしょう。ただ日本だけは様子が異なるようです。

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本日も、小生のブログにアクセス頂きまして、ありがとうございます。

コロナ禍が発端となって始まった、世界規模の財政出動の副作用とも云える高インフレ懸念ですが、特に米国政府は国民の生活を圧迫すると心配しています。そんな折にハト派のFRBのブレイナード理事ですら、「3月に資産購入を終了した後、すぐに利上げができる状態になる」と、上院の公聴会でタカ派的発言をしています。それだけインフレ懸念が大きいのでしょう。

米国では消費者物価指数が前年同月比で7%上昇すると云う場面があり、40年振りのできごとに金融政策を変更せざるを得なくなっているようです。

では米国よりもGDPに対する比率にしてはるかに上回る財政出動をしてきた日本はどうでしょうか。

日銀が14日発表した2021年12月の企業物価指数は前年同月比で8.5%上昇しました。11月の9.2%より縮小したものの、40年振りのできごとで、やがて消費者物価指数に転化されることになるはずです。日本がインフレ状態になったとき、政府や日銀が米国と同じように資金回収によるインフレ対処ができるのでしょうか。

米国FRBのバランスシートの規模は約1,000兆円、日銀のバランスシートの規模は約730兆円です。米国の名目GOPは約2,600兆円で、日本は約550兆円です。このように数字を比較してみれば、日銀が経済規模に対していかに多額の資金を放出しているのかが判ります。

FRBは日銀との比較で云えば、まだまだ資金を出せる余裕があるにも拘わらず、インフレを抑制するために、資金の回収にシフトしているのに、日本は資金のシフトを変えられるのでしょうか。なかなか難しいところだと思います。近視的に、遠くにある出口がよく見えずに資金を放出し過ぎたのかもしれません。

この先、どのようになるのかは明確には判りませんが、日本インフレの危機と隣り合わせにいることは間違いなさそうです。緊急避難情報など出るのでしょうか。

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本日のボンドランチ

遠くで見ると焼きそば、近くでみるとパスタ

「和風パスタ」

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