2021.05.31社員ブログ

太陽の特許・・・・

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

早いもので、5月も最終日となりました。明日から6月ですが、関東地方も間もなく梅雨入りでしょうか。コロナ禍も重なり、気が滅入る時期ではありますが、何らかの気分転換の方法をみつけ、落ち込むことなく、日々過ごしていきたいところです。また、ワクチン接種が更にすすめば、こちらの効果も期待できるでしょう。

新型コロナウイルスの世界的な大流行で、世界中の製薬会社がワクチン開発競争をはじめてから一年以上が経過し、感染者の死者数が300万人を超えるなかで、世界中が予防接種の特許を争っています。コロナワクチンの知的財産権の問題が地球上で最も熱い議論のひとつとなっているといっても過言ではありません。この知的財産権がワクチン価格を押し上げ、貧困国でのワクチン普及の足かせとなっていることから、特許権保護を一時的に放棄することを求める声が世界的に大きくなっています。今年3月初旬、WHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長は不平等なワクチン接種政策の影響に対し、世界各国と製薬会社に向け、特許を放棄するよう求める声明を発しました。

「特許は存在しない。国民にある。太陽の特許をとることができるのか。」

1955年4月にポリオワクチンの開発を成し遂げた米国の医学者であるジョナス・ソーク博士は、その年に放送されたテレビ番組内で、このワクチンの特許は誰がもっているのか、と問われ、こう答えたそうです。ポリオ感染症(急性灰白髄炎)は、人にのみ感染するポリオウイルスによって急性の麻痺が起こる病気で、かつては5歳程度の小児に多発したことから、小児麻痺とも呼ばれていました。当時、この病気には治療法がなく、感染者の200人にひとりが下肢麻痺となり、そのうち1割が呼吸筋麻痺により死亡しています。ソーク博士が1948年にスタートさせたポリオワクチン開発プロジェクトでは、安全で効果的なワクチンをできるだけ早く開発することだけに集中し、個人的な利益を一切求めませんでした。このワクチンを使ったポリオ予防接種は、米国と世界中の国々ではじめられ、1959年までには約90ヶ国に広まっています。プロジェクト開始から四半世紀ほどで、米国内のポリオ感染は完全に排除されました。日本ではポリオワクチンによって、1960年代に年間5000人ほどいた患者が激減し、1980年のひとりを最後に、野生ポリオウイルスによる発症は1件も報告されていません。2000年、WHOは日本が属する西太平洋地域でのポリオの根絶宣言を発表しています。

ソーク博士は1914年10月、ニューヨーク市内の貧しい東欧系ユダヤ人移民の家庭に生まれました。1939年、ニューヨーク大学で医学博士号を取得しています。1948年にはルーズベルト大統領が設立した国立小児麻痺財団のポリオプロジェクトに参加し、約100万人の子どもたちのテストを経て、1955年4月にその安全性が確認され、ワクチンが完成しました。1963年、カリフォルニア州サンディエゴに私立の非営利法人であるソーク研究所を創設し、分子生物医学界の世界最高峰の研究施設として多くのノーベル賞学者などを輩出しています。ソーク博士の誕生日にちなみ、10月24日は世界ポリオデーになりました。

さて、冒頭部分で知的財産権について触れましたが、弊社もビジネスモデル特許取得や商標登録には注力しているところです。ソーク博士の言葉とは違っていても、これらを適切に利用し、少しでも社会のお役に立てる商品・サービスを提供していければとの思いは同じです。

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