2021.04.26社長ブログ

高いもの

街を歩けば、みずみずしい若葉を吹き抜けてきた微風が、頬に心地よく、花粉もいよいよ終わりに近づき、小生には絶好の季節の到来です。あぁそれなのに昨日から東京には、また緊急事態宣言が特別措置法に基づいて適用されました。

宣言が出される直前の先週末、どういうわけか連続して、高いものに縁がありました。

東京タワー、新宿の高層ホテル、上野のタワマン最上階と場所は様々で、その眺めもそれぞれでしたが、大都会東京をまざまざと見せつけられた思いです。

子供の日も近いことから、無数の鯉のぼりに飾られた東京タワーや、新宿から西空を見れば秩父連山でしょうか、沈みゆく太陽に東京も意外と山が迫っていることを感じ、上野では暮れなずむスカイツリーに、町の灯が徐々に彩やかになっていくさま等、どれをとっても大東京そのものです。

この大東京の空の下にコロナウイルスが蔓延しているとはとても思えない、ロマンチックな夕暮れです。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、緊急事態宣言が発令され適用された昨日の日経一面には、コロナにおける経済回復の進み方が上下に開く「K字型」の兆候があり、それが住宅価格にもハッキリと表れてきたと云っています。

他の経済指標同様に住宅価格も二極化が進んで、先週末に小生が目にした光景は皆、高所得者層のエリアで、その先にある近郊では住宅価格の減速が顕著のようです。

中低所得者層は購入を控え、飲食やサービス業に携わる人達の中には、失業などで生活が一変し、持ち家を売却する動きすらあると云うのです。

大都市圏で高い価格帯(前年より10%超高い価格)の物件がよく売れている一方、中心地を少し離れると物件価格は急低下傾向で、全国平均では前年同期比6.2%も下がっています。

これら住宅価格の変化の背景にあるのは所得格差の拡大であり、賃金が安定している企業に勤め、株式投資をしていて、株価の上昇で保有している資産価値が増加している人たちもいたり、長引くコロナ禍で失業や収入減に陥る人たちもいて、厳しい経済環境がますます、その幅を広げながら続くようです。

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本日も、小生のブログにアクセス頂きまして、ありがとうございます。

地方都市でも「K字型」経済の傾向は同様らしく、住宅価格も駅前のタワーマンションがけん引役を担っているようです。

地方都市でタワーマンションが増えるにつれ、地域での販売価格は上昇していて、コロナ禍以前と比較して、総じて20~30%の上昇を示しているようです。

購入しているのは、その地域の経営者、医師、弁護士、有力企業で共働きする世帯などの高額所得者が中心で、かつ株高などで金融資産が膨らむ恩恵に浴しているのだとは24日(土)の日経にも掲載がありました。

この傾向は日本ばかりでなく、世界的傾向だとも新聞は伝えています。

韓国ではソウルのマンション価格は5年前の2倍となり、米国では住宅価格が昨年コロナ禍の中でも前年比9.3%以上上昇しているそうです。

これらは日本の平成バブル崩壊直前の姿に酷似しているように思えてなりません。

日本はバブル崩壊後約30年間、ずっと低成長を続けているのです。

現在の世界的マネタリー政策に限界がきたとき、即ち、高所得層への富の偏在化と、大多数が低所得化しながら拡大する層の不満が対峙し、限界が来たときバブルは崩壊するような気がします。いつまでもこのままマネタリー政策を深掘りしていくわけにもいかないと思います。

「K字型」経済はいつまでも続かず、やがて富は再分配されるはずです。

それまでに、ワクチン接種は無痛のようですが、こちらはかなり痛みを伴う事象を通過しなければなりません。シートベルト(安全装置)は今から準備しても早いとは決して思えません。

いま高いものには要注意だと思います。

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本日のボンドランチ

上野「亀屋」の「うな重」

少々高いものです

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