2021.04.05社員ブログ

暮らしに根づいた取り組み・・・

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」

清明(今年は4月4日)の頃となりました。春先の清らかで生き生きとした様子を表した清浄明潔を略したものが清明で、草木が芽吹き出し、その種類が明らかになってくる日を意味します。晴れわたった空、芽吹く新芽、咲き出す花々には、まさに清浄明潔という言葉がふさわしく、万物が若返り、清々しく、明るく、美しい季節の到来です。仕事や学業の事情で、新年度から新たな環境での生活がはじまっている方もたくさんいらっしゃるに違いありません。コロナ禍で例年とは状況もかなり異なっておりますが、どうぞ充実した毎日をお過ごし下さい。

新生活にあたって引っ越しを伴う場合、転居先でのごみ取集日などは気になるもののひとつですが、ごみを減らし、リユースやリサイクルをすすめることは、地球の有限な資源を使用していくうえで重要であることはいうまでもありません。徳島県上勝町(かみかつちょう、人口約1500人)は2003年にゼロ・ウェイスト宣言をしてこの問題に取り組んでおり、それを自分の目で確かめようと、年間1000人超の視察者が国内外から訪れています。世界中で重要視されているごみ問題解決の糸口がここにはあるようです。

上勝町の取り組みは、ゼロ・ウェイスト宣言よりも前にはじまっていました。まずリサイクル率向上に本格的に乗り出したのは、リサイクルタウン計画を策定した1994年になります。当時、最も多く排出されていた生ごみは、重量比でごみ全体の3割を占めていました。全国に先駆けて家庭用生ごみ処理機の購入補助制度を導入し、町内で排出される生ごみは全て各家庭で処理されるようになっています。

次に取り組んだのは資源再生の流れをつくることで、これは1997年に容器包装リサイクル法が制定されたことがきっかけになりました。町の職員が資源を引き取ってリサイクルしてくれる業者を選定し、当初、分別回収は9品目でしたが、その後も新たなリサイクル業者を探す努力を続け、2015年からは13品目・45種類に増えています。町民が自らごみステーションに運び、どの分別に当てはまるか迷うときなどは現場のスタッフがサポートし、スタッフとの会話や他の町民との交流を楽しみにしている人も少なくありません。リサイクルによる資源売却の収入は年間250~300万円あり、ごみ処理費用の削減につながっています。分別ごとのボックスにはリサイクル業者が引き取る際の単価が記載され、ごみを分別する町民もその効果を実感することができる仕組みです。このような工夫もあって、リサイクルにつながる行動が町民の暮らしに根づいていきました。

上勝町における一般廃棄物のリサイクル率は、2016年度に全国平均(約20%)を大きく上回る81%に達しています。ただ、ここから更にリサイクル率を更に上げることは容易ではありません。というのも、残り19%のほとんどは、リサイクル技術が未発達だったり、設備が高額だったりと、町としては実施が難しく、焼却処分せざるを得ないからです。そのなかで20%を占めているのが紙おむつであり、町では2017年から、1歳未満の乳児がいる家庭に布おむつスターターキットを贈っています。紙おむつは一度使えば焼却処分しなければなりませんが、布おむつは洗濯すれば複数回使用可能です。紙おむつを布おむつに切り替えるためには費用がかかり、そこで登場するのが、前述のリサイクルによる資源売却収入となります。暮らしに根づいた取り組みで生み出された資金は、新たに暮らしに根づかせたい取り組みに活かされています。

さて、ISO14001(環境ISO)を取得済みの弊社においても、ごみの削減は決して他人事ではありません。ペーパレス化を更にすすめていくなど、適切な対応を心がけて参ります。

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