2020.04.20社員ブログ

グリーン・ウォッシュ

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。当初、春頃には好転するとの専門家の意見も散見されましたが、実際のところ、かなりの長期戦になりそうです。現在、新型コロナウイルスに対してワクチンもなければ治療薬もなく、できることといえば、感染しないように外出を控えるくらいかもしれませんが、ほかにも大事なのは、もし感染したとしても症状が軽く済むよう、体力や免疫力を高めておくことでしょう。十分に睡眠をとる、十分に栄養をとる、室内でもできるだけ体を動かす必要があります。また、いまはどうしても暗いニュースばかり飛び込んでくるため、元気がなくなり、落ち込んでしまうことも少なくありません。活力が低下してしまうと、ウイルスに負けてしまう可能性も高まります。大変な状況のなかでも明るい話題をみつけ、前向きな気持ちをもちたいところです。そしてこの瞬間も、感染者の命を救うために働いている医療従事者や、外出ができない人々のために生活必需品を届けてくれている配送業者はたくさんいます。人々にはみえないところで、知り得ない方法でこの状況を何とか打開しようと、誰かが命がけで任務にあたっているかもしれません。本当に有り難いことであり、彼らの無事を祈ることはもとより、感謝の気持ちを忘れてはならないでしょう。

さて、今年1月になりますが、英国大手新聞社のガーディアンは、今後、化石燃料採掘企業の広告を一切掲載しないと発表しました。大手報道機関としては世界で初めての事例です。この決定について同社は、化石燃料採掘企業による大規模な広告キャンペーンに対して環境保護団体が長年にわたって抗議してきたことが背景にあると説明しています。化石燃料採掘企業は採掘によって巨額の利益を手にする一方で、比較的わずかな投資額でありながら、再生可能エネルギーの促進に貢献していることを強調するため、多額の広告費を投じているとか。環境保護団体はグリーン・ウォッシュ(あたかも環境に配慮しているかのようにみせかける)と呼ばれるこうした広告掲載を報道機関に自粛するよう、求めてきました。同社によれば、収益の4割を広告が占めており、化石燃料採掘企業の広告掲載を中止すれば、経済的に大きな打撃を受けることが予想されます。ある環境保護団体は、勇敢な決断を下した同社を称賛し、ほかの報道機関や芸術・スポーツ団体も化石燃料採掘企業の広告やスポンサーをやめるべきであると訴えました。

現下、新型コロナウイルスの影響で大変だからそれどころではないと思われがちですが、例えば気候変動も貧困も海洋プラスチック汚染も、その間、休んで待っていてくれるわけではありません。当然ながら、状況に応じて優先順位はあるものの、大事なことは大事なこととして考え続けていく必要があります。各国とも今回の事態を払拭するため、常態とは異なる金融政策や経済政策をすすめているところです。人々の雇用や生活、企業を守るためには必要なものでしょう。ただ注意しなければならないのは、危機が去るや否や、猛烈な勢いで経済成長のアクセルを踏むであろうことです。その加速に必要な燃料(資金)が既に十分補給済みであるとしたら、計り知れないほどの影響を地球環境にもたらす可能性もあります。危機を乗り切った先にどのような社会がおとずれ、より持続可能なものにしていくには何をすべきなのか、弊社でもそれを考えながら事業をすすめて参ります。

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