ワァーワァーの歓声で目を覚まし、カーテンの隙間からテラス越しに靖国通りを見下ろすと、マラソン選手がまるで蟻ん子の行列のように後から後から続いてこちらに向かってきます。
外苑西通り側に移動して、窓を開ければ国立競技場がゴールなのでしょう、そちらに向かって皆、わき目もふらず一所懸命に駆けて行きます。マラソンはただ走るだけではなく、状況に応じてのペース配分など、工夫する才覚も必要なようです。
それにしても沿道にそれほど人はいません。それにも拘わらず歓声で目が覚めたのは、マンションがコースの曲がり角に位置しているので、その辺りに多数の観客が集まっているのかもしれません。
支度をしてブランチを頂き、階下に降りて表に出れば、微妙に小雨が降り出したようです。マラソンはとうに終了し、交通規制も解除され、マラソンを知らせる看板だけが祭りの後のように淋しく電柱に貼り付き、忘れ去られたようです。
前日は思いの外、天気も良く空を見上げれば、夏の雲の上高くに鱗雲があり、季節の入れ替わりの真っ最中であることがわかります。
そう言えば、昨日の東京レガシーマラソンコースのコーナーには、その前日からカラーコーンが準備されていました。マラソンがあることを知らなかったので、これは「何だろう」と思って撮った予期せぬ一枚でした。





小生はその足で、江戸時代から続く秋の風物詩である、日本橋界隈で開かれている恵比寿講「べったら市」に向かいます。
小雨にも拘わらず、小さな神社ですがパワースポットで、商売繁盛のご利益にあずかろうと、椙森恵比寿神社までに行き着くには、行列に並び、ご利益を得るには少しの間の辛抱が必要です。
その椙森恵比寿神社の近くに宝田恵比寿神社もあり、そちらにも多数の人が並んでいます。この二つの恵比寿神社を中心に「べったら市」が開かれているのです。
「べったら」とは大根を麹や砂糖、みりんなどで漬けた甘口の浅漬けのことで、江戸時代、着物に「べたっと」付くのを、縁起が付くと考えられていたようです。
また、神無月に皆神様が出雲に出張するので、江戸のお留守番に残った商売繁盛の恵比寿様を慰めようと始まったそうです。
恵比寿様は釣り竿と鯛をかかえているように、最初は漁業の神様でしたが、江戸の商人(日本橋あたりに多く集まっていた)は魚のいそうなところに、自分の才覚(頭を働かせ、物事に対応する能力)で竿を入れて、ダメなら別のところに移動して、竿を入れ魚を獲る(稼ぐ)ところが商いに通じていることから、商売の神様にもなったようです。
やはり才覚は大切な能力ですね。




本日も、小生のブログにアクセス頂きまして、有難うございます。
いよいよ明日から始まる臨時国会で首相指名選挙が行われ、第104代首相が指名されます。
どうやらニュース番組などを観たり、新聞を読んだりしていると、高市早苗候補が首相になる可能性が高いのではと考えざるをえません。公明党が離脱した後に維新の会が政策協議に入り、合意した模様で連立政権樹立となるか先週、今週と本来は面白がってはいけない政治なのですが、なぜか興味津々です。
もし高市氏が首相になれば、今の時点ですぐに思い浮かぶ政策としては「サナエノミクス」と言う積極財政です。
これは大胆な「危機管理(軍事を含む)投資」や、「成長戦略投資」などへの財政出動です。和製サッチャーを目指す高市氏ですが、ただ景気刺激策としての、これ以上の金融緩和をすれば、和製トラス(英国元首相で財政で失敗)さんと呼ばれるようになってしまうかもしれません。
なにせ、先週の日経新聞1面トップ記事で、「国債に金利上昇圧力」とあり、サブタイトルは「民間向け供給4割増の61兆円」とあります。「日銀が国債の買い入れ減」となることから、銀行、生保など民間向けに61兆円と、急増させる国債ですが、前年度より45%も増えているのです。
もし民間から充分な買取り、需要が集まらなければ、国債価格は下落し、金利がとてつもなく上昇する可能性があります。
政府の国債発行額は25年度も177兆円と高水準で、推移しています。
今年度の赤字国債を埋める分として、新規国債を29兆円発行します。
満期償還の借換国負債等が約148兆円相当になり、計177兆円となりますが、これを、日銀も含めてどなたかに買ってもらわなければならないわけです。
2013年以降、日銀はその発行額の60%~90%ほどを、購入していた関係で長期国債の高値安定(金利は低いまま)をなんとか保っていました。
しかし、その日銀が長短期の国債を、併せて購入を減少させようとしているものですから、短期は別として、民間での長期国債の購入は厳しいかもしれません。
そんなところへ「サナエノミクス」の金融緩和を、更に行ったら一体どうなるのでしょうか。これ以上、日銀にも無理は言えないと思いますし、これでは国債一つ取りましても、赤字国債の増加は免れないと思います。野党はじめ維新の会ですら消費税減税を揚げています。
現下の日本の舵取りは、よほどの準備と才覚がなければ、コントロールが難しそうです。

本日のボンドランチ
お弁当のメニュー作りも才覚次第ですね。