2025.11.10社員ブログ

ネット・ゼロ・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 暦のうえでは冬に入っておりますが、関東から西の地域では、まだ日だまりの温もりを感じることもあり、日中の厳しい寒さはもう少し先になるでしょう。標高の高い所では少しずつ葉が色づきはじめ、冬というよりは、本格的な秋を感じる時期かもしれません。

 歴史を遡りますと、36年前(1989年)のちょうどこの時期、第2次世界大戦で敗戦国となったドイツを東と西で分断していたベルリンの壁が撤去されました。1961年8月から28年間にわたっていたドイツ分断の歴史が終結しています。ベルリンの壁は東西冷戦の象徴でもあり、また、ベルリンは東西冷戦の最前線の都市でした。この事件を皮切りに東欧諸国の主要都市では共産党政府が倒され、東欧の民主化が加速しています。

 さて、現在、ベルリンもそうですが、世界の多くの都市ではネット・ゼロ(再生可能エネルギーの導入や省エネルギーによって、そもそもの温室効果ガスの排出量を削減するとともに、発生した温室効果ガスを様々な方法で吸収・固定することで、全体の排出量が差し引きゼロになっている状態)に向けた目標が制定され、気候に配慮し、強靭で住みやすい都市への移行に向けた取り組みがおこなわれているところです。いくつかの主要都市では、当初、早ければ今年中にもネット・ゼロを達成するつもりでしたが、いまでは大半の都市が2030年から2050年のどこかの時点で達成する計画となっています。

 今年7月、米国のシカゴが2017年に立てた目標を達成したことで話題となりました。その目標とは、2025年までに市が所有するすべての建物を再生可能エネルギーで賄う、という内容のものです。今年の年初時点で、オヘア国際空港やミッドウェイ国際空港をはじめ、消防署、水処理工場、公立図書館に至るまで、すべての電力が100%再生可能エネルギーによって供給されています。電力の大半は市南部に新設された593メガワットの太陽光発電所から供給され、不足分はREC(再生可能エネルギー電力証書)を購入しています。RECは再生可能エネルギーによる電力がもつ環境付加価値を証券化したものです。RECを購入することで、再生可能エネルギー発電施設を自前でもたなくても、環境保全による社会貢献が可能となり、広報活動などに活用することができます。また、シカゴ市は、「2035年までに市内で消費される全電力を再生可能エネルギーでまかない、2040年までに二酸化炭素排出量を62%削減する」という大計画の一環として、年間29万トンの二酸化炭素の排出削減を目論んでおり、この量は車道から6万2000台の車を取り除くことに相当するものです。

 地球上の人口の過半は都市部に住んでおり、その数は2050年までに3分の2に達すると予測されています。世界のいくつもの都市がネット・ゼロに重点を置き、協力していくことで、地球環境悪化の速度を遅らせることができるでしょう。国内の都市部に多くの不動産を所有・管理している弊社においても、微力ではありますが、そのお手伝いができればと思っています。

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