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お盆休みが迫り、来週11日は山の日ということもあって、登山を計画されている方もいらっしゃるでしょう。山の日は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という趣旨で制定されました。全国各地で関連するイベントも開催されているところです。
歴史を遡りますと、242年前の1783年8月4日、長野県と群馬県にまたがる浅間山で、巨大噴火がはじまりました。天明大噴火、天明の浅間焼けと呼ばれ、日本を代表する活火山である浅間山の噴火のなかで、最も有名なものとなっています。大量の火山灰は天候不順を引き起こし、天明の大飢饉の発生原因のひとつにもなっているようです。また、この年はアイスランドのラキ火山などでも巨大噴火が起こり、浅間山の噴火とあいまって火山灰が北半球を覆ったため、世界的な低温・凶作となってしまいました。1789年にはじまったフランス革命の遠因になったともいわれています。
こちらは浅間山から直線距離で100kmほど離れています。岐阜県と長野県にまたがる御嶽山です。2014年9月17日、噴火としては比較的小規模であったものの、火口付近の登山者を巻き込み、人的被害では戦後最悪の火山災害となってしまいました。気象庁が公表する噴火警戒レベルは、当時、最もレベルの低い1となっています。
標高3067mの御嶽山は、活火山としては富士山に次ぎ、日本で2番目の高さです。古くから信仰の対象とされてきた霊山であるとともに、日本百名山にも選ばれ、その眺望のよさから、多くの登山者に親しまれています。噴火のあった日は、久しぶりの好天に恵まれた紅葉が最盛期の週末であり、また、お昼どきでもあったことから、山頂付近は多くの登山者で賑わっていました。そこに突如として水蒸気噴火が発生し、死者・行方不明者63名にのぼる人的被害をもたらしています。
火口周辺で多数の死者・負傷者が出るなど甚大な被害が発生したことから、火山現象の変化をいち早く捉え、伝達することが重要であること、住民のみならず、登山者も対象とした警戒避難体制の整備が必要であり、そのためには、専門的知見を取り入れた火山ごとの検討が必要不可欠であることなど、火山防災対策に関する様々な課題があらためて認識されました。これを受けて2015年7月、活動火山対策特別措置法が改正されています。また、一昨年、火山災害が発生する前の予防的な観点から更なる改正がなされました。この改正によって、火山本部の設置による国内の火山調査研究の一元的な推進、火山に関する専門的な知識を有した人材育成の充実、火山防災の日(8月26日)の制定など、火山防災対策の一層の推進が図られています。
日本は世界有数の火山国です。弊社のような都心部の不動産を所有・管理する企業では、直接的な被害を受ける場面を想定しにくいかもしれません。しかし、例えば従業員が登山者や観光客の立場になれば、そうではないでしょう。火山について正しい知識を身につけていかなければなりません。