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七夕を迎えましたが、その天の川のイメージから、毎年7月7日は、川の日とされています。建設省(現国土交通省)が近代河川制度100周年にあたる1996年に制定しました。また、毎年7月は河川愛護月間となっています。身近な自然空間である河川への国民の関心の高まりに応えるため、地域住民、市民団体、関係行政機関などによる流域全体の良好な河川環境の保全・再生への取り組みを積極的に推進するとともに、国民の河川愛護意識を醸成することを目的として定められました。河川管理者が地域住民、市民団体、関係行政機関などと協力し、この月間中に、河川愛護の意識が広く国民の間で醸成されるよう、様々な活動を展開しています。
河川と人間とのかかわりは非常に古く、深いものであり、河川は文明発生の拠点であったことはいうまでもありません。物質的基盤を支えるのみならず、人間の心性にかかわる文化をはぐくみ、育ててきました。河川は農耕地を潤すものとして必要不可欠なものであり、様々な灌漑の方法が世界各地で発達しています。また、移動や運搬の手段としても重
要なものです。
河川は利水をはじめとした生活の基盤であって、また、現代社会のなかで疲れた心を癒し、生きる活力を取り戻す場所、人々の交流の場所、様々な体験を通じた学びの場所にもなっています。しかし現在、このような河川の価値が十分活かされているとはいえません。人間はこの身近で大切な財産をもっと活用していく必要があります。
密接にかかわらなければ生活できなかったことから、かつての河川は、人間の生活にもっと身近なものでした。しかし、生活の利便性や効率のよさを強く追求したため、河川は様々な問題をかかえるようになっています。水質の悪化や、生態系を貧弱なものにする護岸構造は人間を河川から物理的、心理的に遠ざけてしまいました。また、洪水体験の減少や、意識せずに水をいくらでも使えるような生活様式が普及したこともあり、河川に対する畏れや敬いの心が希薄化したことも、人間が河川から遠ざかった要因のひとつかもしれません。
河川は人間にとって、なくてはならない恩恵をもたらす一方、ときに大規模な氾濫を生じ、人間の生存を脅かす存在でもあります。決して意のままにならない河川と向き合うことで、感性は磨かれ、創造力も養われ、生命の尊さや自然の法則を理解できるようになっていったのでしょう。望ましい河川の姿を次世代に取り戻し、環境との共生という大きな課題に対処していくことが、いまの大人たちに課された責務といえます。不動産を所有する弊社にとって、河川の氾濫による水害などは非常に関心の高いものですが、また別の視点からも、やるべきことを考えていければと思っています。