2023.06.19社員ブログ

パーパス・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

「人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。」

 フランスの哲学者、ブレーズ・パスカル生誕(1623年6月19日)400年となりました。人間は葦同様にとるに足りない存在ではあるものの、考えることができます。考える力をもった人間は、弱い存在ではあっても、その知性によって厳しい現実を克服し、未来に希望をつなげることができるでしょう。

 中長期的な企業価値向上につなげるものとして、人材を資本として捉える人的資本経営が注目されています。従来、人材は企業の経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)のひとつと認識されており、コストとしての人件費がかかる存在でした。そのため、利益を上げるためには人件費をなるべく抑えようという発想になりがちです。一方、人的資本は従業員のスキルや能力、知識などを企業の資本と認識し、人材に投資することで価値が高まると考えます。人材育成にかかるお金はコストではなく、企業価値の向上にとって不可欠な投資です。人的資本経営は人材を資源ではなく、投資によって価値を引き上げる資本と捉えている点がポイントになります。少子高齢化で働き手の絶対数が減り、女性や高齢者、外国人など様々な人材を採用しなければなりません。こうした人々を雇用するには時短勤務やシフト勤務、リモートワークなど多様な働き方の提示が必要になるでしょう。様々な人材にそれぞれに適した働き方で活躍してもらう人的資本経営が求められています。

 企業が人的資本経営をすすめていくための課題のひとつが、パーパスの浸透です。パーパスは企業の存在意義を意味し、企業と従業員を結びつける重要な概念になります。経済産業省の人材版伊藤レポート2.0でも、経営者が社会・環境に自社がどのようなインパクトをもたらすべきかという観点から、企業理念や企業の存在意義(パーパス)を再考すること、自社事業の成功につながる社員の行動や姿勢を企業文化として定義し、浸透を図ることが企業の競争力向上に貢献するとしています。ニューヨーク大学の研究では、パーパスが明瞭であり、中間管理職や専門職にまで浸透している企業は、そうでない企業よりも総資産利益率(ROA)などが高いという結果が出ました。

 パーパスの浸透によりステークホルダー、特に、人的資本であり、人的資本経営の原動力となる従業員からの理解や共感を得ることは重要です。企業にパーパスがあるように、個人にも自分の人生で大切にしたいこと、成し遂げたいことがあります。企業と個人のパーパスで重なり合う部分が大きければ、仕事のやりがいや企業に対する帰属意識も高まるに違いありません。

 人的資本経営の実現には、人的資本に関する情報開示、従業員のリスキリングへの取り組みなどに加えて、企業文化に影響を与えるパーパスの浸透が成否の鍵を握ります。パーパスの浸透を通じて、従業員が自身の果たすべき社会的役割を理解し、自律的に行動する企業文化を築ければ、外部環境の変化を乗り越えて持続的な成長を実現できるでしょう。弊社は、「私たちは、人間愛に基づいて行動します。私たちは、不動産の賃貸料から生成されるマリオンのサービスを以って、年金・医療・介護・環境のサプリメントとなし、皆様に夢のある快適な老後と幸せをお届けます。」という企業理念に基づいてサステナビリティ経営に取り組み、また、不動産領域での事業活動を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指して参ります。

友達にシェア

  • facebookでシェア
  • twitterでシェア
  • LINEでシェア
  • はてなでシェア
  • ピンタレストでシェア