2021.11.08

社員ブログ

本人からの自白が最多・・・・

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 弊社では先月10月から新年度がはじまっており、現在、前年度の決算短信の作成に追われているところですが、歴史を遡りますと、ちょうど10年前(2011年11月8日)、光学・電子機器メーカーのオリンパスが、約20年間にわたる損失隠しについて公表しています。

1980年代後半の円高によって本業の業績が悪化した同社は、資産運用で利益を上げていくことになりました。当時は日本企業の多くが財テクに走った時代であり、同社が例外というわけではありません。しかし、その他多くの企業と同様、1990年代前半のバブル崩壊により、保有していた金融商品に巨額の含み損を抱えることになりました。このため、より大きなリターンが見込まれる金融商品、更には金利先食い型の金融商品なども積極的に購入しましたが、いずれも失敗に終わり、損失は拡大していきます。

当時の監査法人は新しい会計基準が2000年4月から導入されることを考慮し、1998年3月期以降、損失額についての照会をおこない、含み損を計画的に損失処理していくことを経営陣と監査役会に要請しました。ただ、1998年時点では含み損が既に950億円程度に膨らんでおり、巨額の含み損を計上すれば、確実に経営が問題視されるため、秘匿策が模索され、実行に移されたのが受け皿ファンドに損失を引き受けさせる飛ばしです。ファンドを設立してそこに含み損を抱えた金融商品を簿価で売却し、その上でケイマン諸島、シンガポール、日本国内に籍を置くファンドを複数介在させ、同社から資金を流し込むという複雑な仕組みとなっています。2000年4月には事業投資審査委員会が設置され、ここで飛ばしスキームの管理がおこなわれました。その後も企業の合併・買収を繰り返すなどで巨額の損失を計上し続け、2011年7月、ある雑誌の報道から、世間の知るところとなっています。

近年、不適切会計の発生は後を絶ちませんが、ある上場企業の監査役が不適切会計に係る定 量的データベースを独自に構築して研究をおこなっており、ここで内容を少しご紹介します。2011年3月期から2018年3月期までの8年間において、上場企業が開示した不適切会計310件の内訳は会計不正223件、横領ほか87件となりました。このうち会計不正は意図的会計不正122件、誤謬101件に分かれます。また、会計不正223件については内部発覚率が60%、外部発覚率が40%となりました。発覚要因を大きい順にみると、「社内で発見 その他」29%、「監査法人指摘」22%、「経理部で発見」18%と続いています。一番多かった「社内で発見 その他」については、「本人からの自白」が18%で最多となりました。不正を働いたものの、常に発覚の恐怖に怯え、良心の呵責に耐えきれなくなった様子を伺い知ることができます。

横領ほかについては、内部発覚率が48%、 外部発覚率が52%です。発覚要因を大きい順にみると、「社内で発見 その他」26%、「外部指摘 税務調査」16%、「外部指摘 取引先」13%と続いています。一番多かった「社内で発見 その他」において、こちらも「本人からの自白」が22%で最多です。また、横領ほかの発見では、当該企業の取引先企業や個人に対しても調査権限をもっているので、税務当局が不正の発見という側面で重要な役割を果たしていることが分かります。

弊社は間もなく会社設立(1986年11月27日)から35年を迎え、株式上場(2018年9月13日)後、既に3年以上が経過しました。今後も上場企業として相応しい会計処理をおこなっていかなければなりません。ステークホルダーの皆様に対して適切な情報開示を心がけて参ります。

前へ
次へ

会員登録をしていただくと、過去の実績から直近の実績まで一目でわかるi-Bondチャートをご覧いただけます。
また、i-Bondに関する情報などをメール等でお届けします。

会員登録はこちら

会員登録