2021.02.22

社員ブログ

マジックワードに惑わされることなく・・・・

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

二十四節気の雨水(今年は18日)の時期となり、そろそろ寒さの峠を超えてくるころでしょうか。暦便覧(江戸時代の暦の解説書)には、「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されています。皆様もコロナ対策はもちろんのこと、風邪など召されて体調を崩されぬよう、十分お気をつけ下さい。

コロナ禍収束のみえないなか、今年も2ヶ月経過しようとしていますが、昨年、突如として注目されはじめたといえるのがジョブ型雇用です。これは欧米諸国で普及している職務を限定して契約を結ぶ雇用制度で、本人の同意がなければ、まったく関係のない職務に従事させられることはありません。それに対して、伝統的な日本的雇用では、企業が従業員のキャリアパスや担当職務に関して強い人事権をもっています。日本企業では本人の同意がなくても転勤や異動によって職務が変わることは珍しくなく、日本的雇用のこのような特徴はメンバーシップ型雇用と呼ばれています。

ジョブ型雇用へ関心が高まった理由のひとつとしてあげられるのが、昨年、新型コロナウイルス感染拡大を防止するために普及したテレワークです。テレワークでは部下や同僚の様子が十分にわからないため、担当職務の内容、仕事の進捗、成果などをより正確に把握する必要があります。そこで、職務記述書によって担当職務を言語化するジョブ型雇用が注目されはじめました。資生堂、日立製作所、富士通といった日本を代表する企業は、既にジョブ型雇用への転換を表明しています。これらの企業はグローバル経営、DX、テレワークといったものをすすめており、ジョブ型雇用を目指すのは自然な流れといえるでしょう。

ただ、ここで重要なのは、これらの企業がジョブ型雇用への転換に着手したのは、コロナ禍以前だったということです。経営者が雇用の仕組みの転換を明言し、数年がかりで段階を踏みながら、ジョブ型雇用を整備しているという共通点があります。コロナ禍でテレワークをすすめていくなかで、そのマネジメントがうまくいかないからジョブ型雇用を標榜しているわけではありません。

雇用制度は企業経営の根幹であり、しかも、ジョブ型雇用はメンバーシップ型雇用の対極にあるもので、抜本的な改革は賃金制度や評価に影響を及ぼし、移行には労力も時間もかかります。職務記述書の整備はジョブ型雇用のスタートでしかありません。ジョブ型雇用は国際的な人材獲得競争を勝ち抜くには適していますが、その分、導入には大変な負荷がかかります。いわばハイリスク・ハイリターンの打ち手ともいえそうです。国内事業しかおこなっておらず、テレワークのための課題に対処したいだけであれば、もっとローリスク・ローリターンな、例えば、ジョブ型雇用を全面導入するのではなく、部分的に導入するといったやり方もあります。

長期雇用が根づいていた日本のメンバーシップ型雇用では、組織に構成員がいることを所与として、組織のメンバーそれぞれのもち味にあわせて仕事を分担しているのが実情です。一方、ジョブ型雇用では組織の仕事を先に分解し、職務記述書をつくり、それができる人材をあてはめていきます。メンバーそれぞれの強み弱みを配慮せずに職務を分解するため、職務の分解に失敗すると、各職務に意欲的に取り組む人材がいなくなるという事態を引き起こしかねません。本来、雇用制度は企業の特性や展望によって独自に最適化するものであり、弊社でもジョブ型雇用というマジックワードに惑わされることなく、経営理念実現のため、丁寧に雇用制度改革に取り組んで参ります。

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