2020.06.15

社員ブログ

在位期間には何度も

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 歴史を遡りますと、ちょうど1275年前(745年6月15日)、聖武天皇が都を難波京から平城京に戻しています。聖武天皇といえば、世界遺産に登録され、奈良の大仏でも有名な東大寺を建立した人物として有名ですが、在位期間(724年~749年)には何度も遷都をおこないました。度重なる遷都によって莫大な費用が生じ、国家財政は乱れています。それではなぜ、遷都を繰り返したのでしょうか。疫病や反乱からの逃亡、有力氏族間の政権抗争、複都構想など諸説ありますが、まだ明確な理由は判明していません。四半世紀という短期間で平城京にあった都が巡り巡ってまた平城京に戻ってくるというのは、実に興味深いお話です。

 こちらは元の状態に戻るのでしょうか。北海道、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の非常事態宣言が解除されてから3週間になります。

 今回のコロナウイルスの感染急拡大によって、もしそれが起こっていなくても、社会が向かうべき方向へと大きく動きました。テレワークがその筆頭でしょう。普段から着実に行動すればよいのですが、特に現状で問題がなければ無理に変える必要はない、という現状維持バイアスが平時には足を引っ張ります。そう考えると、非常時こそ、社会が向かうべき方向への行動を起こしたり、加速したりすることが可能です。

 世間をみていると、コロナ危機の捉え方は大きく2通りあります。ひとつは、「現在は平時の状態から一時的に非常事態、異常な事態になっているのだから、過ぎ去れば元に戻るだろう。」というもので、そう捉えると、いかに凌ぐかが大事な戦略になります。もうひとつは、「今回のコロナ危機は、このまま、これまで通りが続いていくことはないという警鐘だろう。」というものです。この捉え方であれば、コロナ危機から何を学び取り、それによって自分たちをどう変えていくのか、を考え抜き、実行していくことが戦略となります。

 この2つの捉え方のどちらを選択するかによって、その後のあり方が大きく変わってくることはいうまでもありません。企業にとっては後者が今後の事業の盛衰を決するでしょう。当初、1~2ヶ月たてば収束するので、少し辛抱すればまた元に戻ると思っていた人は少なくありませんでした。しかし今では、そう考えていた人たちも、コロナのトンネルの先は以前の世界ではないと、はっきり、あるいは薄々感じるようになってきています。ポストコロナの議論がはじまっていますが、まずは今回のコロナ危機であらためて明らかになった事象の検証からすすめていくことも必要なのではないでしょうか。

 そのひとつは、命が一番大事ということです。生死に関わる事態の拡大を避けるために経済活動を縮小せざるを得ず、便利さや楽しさも我慢することを強いられ、誰しもが仕方ないと思いながら従っています。経済よりも命が大事ということが大前提であると、社会全体が再認識しているといえるでしょう。これまでは経済成長や経済活動の継続が何よりも大事と考えられているように思えるところもありましたが、いまや、やはり何よりも命が大事であるという認識を社会全体で共有せざるを得なくなりました。

 今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、医療崩壊といわれる状況に陥ったり、その可能性が心配される国もあります。医療崩壊は、感染スピードが速いことも大きな要因となりますが、医療や健康関連の施設や体制がどのぐらい整っているのかにも左右され、日本では第一線で地域住民の健康や衛生を支える公的機関のひとつである保健所の数が、1990年頃から大きく減ってきました。厚生労働省の資料によれば、1992年には852ヶ所あった保健所が2020年には469ヶ所となり、この30年ほどの間に半分近くまで減っています。国民の健康や医療を支えるそもそもの仕組みが弱くなっているところに、感染力の強い感染症が広がると、医療崩壊が心配される状況に陥ってしまいます。何が大事なのか、何を守っておく必要があるのか、もう一度しっかりと考えなければなりません。弊社でも、この新しい時代をどう生き抜いていくのかを模索しつつ、様々な角度からの議論を重ねていきたいと考えています。

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